化研

放射性核種取扱業務

管理区域

RI管理区域

 

5種混合放射γ線源 U-8容器

5種混合放射γ線源 U-8容器

放射線の応用分野には、放射線そのものを計測に応用するものと、放射線を照射してその効果を応用するものがあります。例えば質量差や放射能で識別できる特定の放射性同位体を混入しそれを追跡するトレーサー試験などがよく知られています。
弊社は民間企業では数少ない「放射性物質取扱管理区域」を30年以上前に設置し、以下のRIの使用・販売許可も取得して放射性物質を扱う業務に携わってきました。ゲルマニウム半導体検出器や液体シンチレーションカウンターを代表とする多数の測定装置を所有し、質の高いサービスをご提供いたしております。

管理区域内保有機器
  • ゲルマニウム半導体測定装置(γ線測定用)

    ゲルマニウム半導体測定装置(γ線測定用)

  • ■ゲルマニウム半導体測定装置(γ線測定用)
  • ■低エネルギーX、γ測定装置(X-γ線測定用) (LEPS)
  • ■低バックグランドガスフローカウンター(β線計測用)
  • ■Nal検出器(γ計測用)
  • ■ZnS検出器(α計測用)
  • ■液体シンチレーションカウンター[LSC](β線測定用)
  • ■表面障壁型α線スペクトルメータ[SSB](α線測定用)
  • ■GMサーベイメータ(β、γ測定用)
  • ■電離箱サーベイメータ( β、γ測定用)
  • ■プロポーショナルサーベイメータ(α線測定用)
  • ■原子吸光光度計(AA)
  • ■分光光度計(UV/VIS)
  • ■X線回折装置(XRD)
  • ■誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)
トリチウム計測のご案内
特に化研では現場でのスクリーニングから、環境中の極低レベルまでの幅広いトリチウム(H-3)濃度分析に対応できる技術と実績があります。幅広いタイプの装置と経験豊かなスタッフが、皆様の様々なニーズにお答えいたします。
装置外観 ポータブルタイプ 汎用タイプ 低バックグラウンドタイプ
portable_type normal_type lowbg_type
装置名 トライアスラー 3110TR LB7
寸法 幅×高さ×奥行(cm) 25×19×33 103×47×81 123×163×77
測定バイアル容量(ml) 20 20 100
測定試料量 (mL) 10 10 50
検出下限値 (Bq/L) [試算値] 25 10 2.5
特徴 現場での測定が可能 多くの測定試料の連続測定が可能 環境レベルの低濃度測定が可能
  注:検出下限値は測定時間を60分に設定した場合の試算値
  計数効率はトライアスラー 20%, 3110TR 20%, LB7 23%と仮定
取扱可能な核種の種類と数量
核燃料物質の取扱認可核種の種類と数量 U,Th,P
核 燃 料 物 質 年 間 使 用 数 量 化 学 形 態
天然ウラン及びその化合物 450g (U量として) 金属ウラン
酸化ウラン
硝酸ウラニル
酢酸ウラニル
劣化ウラン及びその化合物 300g (U量として)
低濃縮ウラン及びその化合物 100g (U量として)
トリウム及びその化合物 900g (Th量として) 硝酸トリウム
プルトニウム及びその化合物 300mg(Pu量として) 酸化プルトニウム
硝酸プルトニウム
塩化プルトニウム
事例紹介
■放射性核種分析クロスチェック
IAEA(国際原子力機関)が実施する海水の核種分析クロスチェックの機会を利用し、分析技術・計測の信頼性を検証しました。
信頼性の検証方法
核 種 分析方法(文科省法) 測定機器
H-3 蒸留法(シリーズ9) 液体シンチレーションカウンタ
(20mlバイアル)
Sr-90 発煙硝酸法(シリーズ2) 低バックグラウンド
ガスフローカウンタ
Cs-134
Cs-137
ゲルマニウム半導体検出器による計測
(シリーズ7)
Ge半導体検出器(2Lマリネリ容器)
矢印
比較する
IAEA値
検証結果 (化研分析値とIAEA値の比較)
核種 放射能濃度(Bq/kg)
化研分析値 IAEA値
直接測定 標準添加法
H-3 3.33±0.24 3.33±0.29 3.19±0.06
Sr-90 0.116±0.006 - 0.1016±0.0007
Cs-134 0.156±0.010 - 0.1555±0.0006
Cs-137 0.236±0.012 - 0.2058±0.0013
クロスチェック分析よる信頼性の検証の結果、対象核種の全てにおいてIAEA値と同等の値が得られ、分析技術・計測の信頼性を確認した。 また、H-3の測定については直接測定と標準添加法での結果は同等となり、低い計数率での直接測定値の妥当性を確認した。

 

■土壌試料のトリチウム(H-3)低レベル分析方法
環境動態研究や影響研究に活用可能な土壌試料を対象としたH-3低レベル測定方法(目標下限値1Bq/kg以下)を確立した。

燃焼試験フロー

試験フロー

燃焼試験フロー

システム構成図
土壌試料のH-3検出下限値算出結果
測定時間(min) 検出下限値(Bq/kg・湿土)
200 1.39
300 1.09
500 0.86
土壌試料のH-3低レベル測定技術検討の結果、ガス通気燃焼処理や回収・精製条件、ならびに低バックグラウンド液体シンチレーションカウンタ(LB-7)を用いた測定条件について、検出下限値1Bq/kg以下の低レベル測定技術を確立した。
これまで着目されていなかった福島第一発電所周辺の高感度なH-3濃度測定を行い、データを蓄積してゆくことで、今後のH-3環境動態研究に貢献したいと考えている。

その他の実績
■環境試料の放射能分析及び移行調査
河川水,湖水,土壌,野菜,肉,魚介類等
■放射性同位元素用いた試験及び技術開発
RIトレーサーを用いた挙動試験等
■廃炉処理に関するインベントリー調査
放射性汚染物の核種分析
■放射性廃棄物処理技術開発
乾式除染・湿式除染等
■放射線源の製造・販売
ZNS校正用αスタンダードの作製
Ge半導体検出器校正用標準線源の作製
Ge半導体検出器校正用標準線源の作製
液体シンチレーションカウンタ用標準試料の作製